統合失調感情障害日誌

統合失調感情障害を患っている管理人のこれまでの日誌です

完璧主義で仕事が遅くなる

以前はソフトウェア関係の仕事をしていた。プログラマーである。

ある時、コンピュータのデータ設定を行うプログラム作成を担当したことがある。そのプログラムはコンピュータシステムの設置を行う工事者が操作するものだった。

一般ユーザは使わないのでプログラムの使い勝手はそれほど重視されない部分である。だが私の完璧主義の性格が影響して工事者にとってとても使いやすいプログラムを作成することにした。いわば完全にオーバースペックな物を作ろうとしたのだ。そのため工数が大幅に増えることになり、予定期日までに完成できなかった。ところが別の人が簡易的な仕様で数日間で作り上げてしまい、予定期日にはそちらが使われることになった。その人は私の仕事が遅れていることを知って、自分の仕事の合間に数日でプログラムを作ってしまったのだ。それは使いやすくはないが、データ設定は行うことができる物だった。

完全にオーバースペックな物を作ろうとしていた私は、土日も休日出勤をして1ヶ月の残業時間が100時間を余裕で超えるほど仕事にかかりきりになった。毎日夜遅くまで残業していたが不思議と疲れることはなかった。

予定期日を大幅に超過してプログラムの作成が完了した。そのプログラムはとても使いやすかったが、工事者用としては明らかにオーバースペックであった。私の完璧主義の性格のせいで予定期日を守ることができなかったのだ。

オーバースペックな物でも予定期日に間に合えば問題とはならないのだが、私の仕事のスピードはかなり遅かった。本来なら仕事のスピードとプログラムの複雑さを勘案して期日に間に合うようなプログラムを作るものだが、私にはそれができなかった。

完璧主義のせいでちょっとしたことでも気になって手直ししたりする。設計書を書くときも書き終わった後になってあちこちの記述内容が不適切に感じて書き直しをする。そういうことが何度も繰り返される。完璧な内容にしようとして完成までに時間がかかってしまうのだ。

結果として仕事が遅くなる。完璧さに囚われると私は普通の人の3倍ほどの時間がかかるようになったと思う。ソフトウェア開発はチーム作業である。仕事が遅く、能力が低いとみなされた私はシステムの中で重要ではない部分のプログラムばかり作成を任されるようになった。

プログラマーは仕事の速さの個人差が大きい職業である。完璧主義で仕事が遅い私にプログラマーの仕事は向いていなかった。かといって他に私に向いている仕事があるとは思えなかった。そういうことで私はチームの中でお荷物的な存在になっていた。