2010年を過ぎた頃に重度のうつ病を発症した。実家で暮らしたのだが、テレビの音が耐え難いほどうるさく感じたり、家族が何人もいて落ち着かず、一時は精神科病院への入院を考えたほどだった。
うつ症状がピークの時にうつ病の妄想が出現した。うつ病で妄想が起きる場合がある。うつ病での妄想は微小妄想といわれ、3種類がある。
・重い病気にかかったと思い込む心気妄想
・大変な罪を犯したと思い込む罪業妄想
・お金がなくて暮らしていけないと思い込む貧困妄想
私には将来も暮らしていけるだけの十分な金融資産があるのだが、それでも暮らしていけなくなると思い込んでいた。将来お金が足りなくなって暮らせなくなると思ったのだ。
私よりもお金持ちの兄弟に金銭的援助をしてくれないかと泣きついた。側から見れば単にお金が欲しい人に見えていたことだろう。
うつ病が良くなってから考えると、将来になっても十分な蓄えのあることが分かるが、うつ病が悪化していた時は貧困妄想のせいで悲観的思考に染まってしまっていたのだ。
うつの時は食欲が極端に落ちて食事の量が大きく減り、体重が減少した。睡眠時間が長くなり、1日16時間くらい眠った。眠っても眠ってもいくらでも眠れる状態だった。
聴覚過敏になり、複数の雨だれの音がランダムな間隔で鳴る場合は平気だけれど、一定間隔で一つだけポツ、ポツと鳴る雨だれの音は我慢できない。
サインバルタを20mgから40mgに増量されてから1週間くらいしたら、それまで読む気が起きなかった新聞が読めるようになった。それからは急速にうつ症状は良くなっていった。