統合失調感情障害日誌

統合失調感情障害を患っている管理人のこれまでの日誌です

PATM 人にアレルギー反応を引き起こさせる体質!?

PATMとは ”People are Allergic To Me” の頭文字を取ったもので、直訳すると「人々のアレルギー源は私である」となる。

某巨大掲示板の 身体・健康 板に「patm 人にアレルギー反応を引き起こさせる体質」というスレがある。

このスレに集まっている人たちは、自分の体から人に咳やくしゃみ、鼻すすり、目の痒みなどのアレルギー様反応を引き起こさせるガスなどが放出されていると固く信じ込んでいる。こうした人たちは自分たちを PATMER と呼んでいる。

PATMERたちいわく、歩いているときに自分とすれ違った他人が咳をしたり、電車の中とか室内とかで自分の周囲の人たちが咳き込んだりとかが頻繁に起きるという。

あまりにも頻繁に起こるので、自分の体から他人を咳き込ませるガスが出ているとしか考えられないというのだ。中には車を運転中に信号待ちしている相手の車の運転手が反応したり、電話している相手の人が電話越しに反応したり、TVに出ている人が反応したりするとまで主張する人もいる。

詳しいことはその掲示板のスレを見て欲しいのだが、毎日数件程度の書き込みがある。Twitterを PATM で検索してもけっこうヒットする。

ネットで質問を受け付けるサイト(Dr 林のこころと脳の相談室 精神科Q&A)を運営している精神科医の林公一氏のもとにはPATMERからメールが届いており、現時点で2件の内容がサイトに掲載されている。林氏はこの2件のメール内容から、PATMの症状は自己臭症か統合失調症のいずれかの症状であると断定している。

自己臭症とは、自分の体から体臭や口臭、便臭など何らかの匂いが拡散しており、そのために周りの人に迷惑をかけていると妄想的に確信する精神疾患である。

PATMと自己臭症はよく似ている。どちらも自分の体から他者にとって迷惑な何らかの気体が放出されていると確信している点ではまったく同じである。異なるのは他人に迷惑をかけるガスに匂いがあるかないかだけである。PATMERの中には無臭だけではなく、自己臭症と同じように匂いのあるガスが出ていると主張する人も一定の割合でいるようだ。

常識で考えれば、自分の体から出ているガスで他人に咳やくしゃみなどのアレルギー反応を引き起こす病気があるとは考えられない。そう思い込んでいるだけの自己臭症だと考えるのが妥当だろう。

有名なカウンセラーの竹内成彦氏は、これまでに10人以上のPATMを自称する人のカウンセリングを行なってきたという。そのうち、本当のPATMだった人は1人だけであり、その人以外は自己臭症だったとしている。

竹内氏は自身が化学物質過敏症の一種である嗅覚過敏症だと述べている。その竹内氏がPATMの人と相対した際に涙や鼻水や咳が止まらず、目を開けてられない状態に陥り、ほとんどカウンセリングにはならなかったという。

彼は自身の体験から、ほとんどの自称PATMの人は自己臭症だが、例外的にPATM患者が実在するとしている。

人体から皮膚を通してごく微量のトルエンやエチレンなど様々なアレルギー物質がガスとして放出されていることは科学的に実証されている。また化学物質過敏症の人は国内で7.5%、米国では14%といわれている。

放出しているガスの量には個人差があり、特に多くの量を放出する人が、化学物質過敏症の人と至近距離にいれば、その人にアレルギー反応が引き起こされる可能性は全くないとはいえないと思う。

PATM現象とは、一方の極に統合失調症、その対極に真正のPATM、中間に多数の自己臭症が位置するスペクトラムを形成しているようだ。