私の最初の症状は対人恐怖(SAD)だった。
他人と会話を交わす時、相手の目を見つめると、自分の内心を見透かされるようで怖い。これは「正視恐怖」というらしい。同時に自分の目つきがキツくなって、相手に不快感を与えているのではないかと恐れる「自己視線恐怖」の症状もある。また電車で相対して座っている時などに他者からどう見られているかが気になる「他者視線恐怖」もある。
私の場合は「正視恐怖」「自己視線恐怖」「他者視線恐怖」の3つがセットになっている。
そして、自分の歩き方が変に思われるのではないかと恐れて、ぎこちない歩き方になってしまい、そのために他人から咳払いされる「咳払い恐怖」がある。
さらに自分の表情が泣いたような感じになって、他人から当てつけで咳払いされる「表情恐怖」の症状もある。
あとはトイレで隣に人がいると緊張して排尿できなくなる「排尿恐怖」の症状もある。
こうしてあげてみると実に多くの症状があるな。こうした症状に効果があるとして医師が処方するのがレクサプロなどのSSRIである。
私が最初にSSRIの処方を受けたのが2000年の頃だった。医師が「対人恐怖はSSRIで良くなりますよ」と言って処方したのはパキシルだった。このパキシルを最大量の40mgまで約2年間服用したが、対人恐怖の症状にはまったく効果がなかった。このパキシルは断薬時に俗にいう「シャンピリ」があって困った。
次に処方されたSSRIがルボックスだった。これも最大量の250mgまで少なくとも2年間服用したが、日中に副作用の眠気が出るだけで症状は一向に良くならなかった。
最近になってSADへの効能があるというレクサプロを服用してみた。最大量の20mgまで服用してみたが、症状にはまったく変化がなかった。
SSRIで対人恐怖の症状が良くなる人がいるのは確かだろう。特に他人と話すだけでガクブルとなるある意味重度の人やスピーチ恐怖などの人には効果があるようだ。
だが私のように他人に不快感を与えているとか、他人から嫌がらせされていると確信している者にはSSRIは効果がないようだ。SSRIで症状が緩和される人はおそらく5割くらいではないだろうか。知らんけど。
私の場合は統合失調症の傾向が強いので、一般的なSADと違って効果が出なかったのかもしれない。SSRIが効く人がうらやましい。